こうすれば成長する。こうすれば目標を達成できるという道筋がはっきり見えていれば、頑張りがいがあるというものですよね。
その中でもより具体的に成長のフレームワークを教えてくれる3冊をご紹介します。
すべては前向き質問でうまくいく
著者:マリリー・G・アダムス
人は普段、膨大な質問を自分に投げかけながら生活しています。「どの靴を履いていこうか」「今晩は何を食べようか」「傘は必要だろうか」このような具合です。どうやら、人の思考はかなりの部分は質問によって構成されていそうです。
例えば気の重い案件で上司から声がかかった時、「何を言われるんだろう」と、つい思い浮かぶことがあるかもしれません。しかしこれを「この案件を進めるためのどんな機会にできるだろうか」と考えを変えてみると、学習の機会を捉えられそうです。
本書では、質問が大きく2種類に分けられることを示します。「学習者の質問」と「批判者の質問」です。つまり「どうしたらことのことから学べるだろう」と常に自分に質問している人と「どうしてこうなったんだ」と自分に質問している人がいるということです。
前者は常に肯定的な感情を心に宿し、新しいことをどんどん学んでいくのに対し、後者は否定的な感情をわざわざ自分の中に作り出し、学習の機会も逸していきます。
そうは言ってもどうしても、否定的な思いを抱いてしまうことがあります。本書ではストーリー仕立てで様々な環境下において、どうすれば「学ぶ人」でいられるかを質問思考の技術(クエスチョン・シンキング)として解説していきます。
ワークシートや演習が豊富に掲載されており、グループ学習にも有効です。
翻訳の初版は「質問思考の技術」という題名で発売されたそうですが、より広く読まれるようにするため、新版はよりキャッチーなタイトルになったそうです。
成長マインドセット
著者:吉田行宏
成果・成長を頂点として、成果を上げるのに必要な能力・スキル、能力、スキルを身に着けるための行動・習慣、行動・習慣を支える意識・哲学という成長アイスバーグが有名な著書です。
これをより具体的にすると
目に見える結果が、水面下の能力・スキル、振る舞い・習慣・行動、意識・思い・人生哲学に支えられていることを表現し、アイスバーグモデルと名付けたそうです。このアイスバーグを利用することで、成長への具体的アクションが非常に明確になります。
成長とは、自身のアイスバーグそのものを大きくすることだと述べられています。
成長を進めるためには、成長を阻害する2つのブレーキを外すことと、2つのアクセルを踏むことを説明していきます。
2つのブレーキのうち、ひとつは、”悩みブレーキ”。一度進もうと決めた道でも人は無意識に予防線を張り、悩みながら、ブレーキを踏みながら進んでいるものです。これを2年でいいから迷わずに突き進むことを勧めています。覚悟の問題ですね。
もうひとつは”大きな子供ブレーキ”。自己中心的であったり、周囲に影響されたりすることです。自覚することで、環境影響されず、自分軸で判断できるようになります。
2つのアクセルのうち、ひとつは、ミッション・ビジョン・バリューです。中でも行動を決める価値観としてバリューを重視しています。もう一つは正しく、強い動機です。
成長の5原則
- バランスのよいアイスバーグの成長
- 悩みブレーキを外す
- 大きな子供ブレーキを外す
- 自己理念・自分軸アクセルを踏む
- 正しく強い動機アクセルを踏む
本書はある課長の成長を軸としたストーリー仕立てになっています。読みやすく、短時間で読了できますが、非常に応用の利くテキストです。
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脳が教える! 1つの習慣
著者 ロバート・マウラー
大きなことを成し遂げるためには、小さな一つの習慣を変えること、身に着けることから始めよう、という本です。
いまでは、「習慣化コーチ」もいらっしゃるほど、習慣の力が広く認知されていますが、本書はその先駆けです。2008年に出版され、現在でもコーチングの重要な参考書となっています。
心理学者・臨床心理士である著者によると、そもそも脳は、大きな変化には恐怖を感じるようにできているそうです。ですから、大きな目標だからといって、一足飛びに大きな変化を起こそうとすると、非常に抵抗を感じるのが普通なのです。
脳に恐怖を与えない程度の小さな習慣から変えていくことで、むしろ達成に近づいていきます。
小さな質問をする、小さな思考を活用する、小さな行動を起こす、小さな問題を解決する、小さなごほうびを与える、小さな瞬間を察知する。
とすべて、大きな変化を実現に抵抗を感じない程度に小さくして実行することを提唱しています。
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